★ キュアンの密かな野望 ★
オマケの小話も by SALY様



ノディオン城のラケシス。
旧友エルトシャンの妹。彼女が小さい頃に一度会った事があるキュアンは、美しく成長を遂げた姿に心を奪われた。
しかし、エスリンも愛している。そして可愛い子供もいる。
彼の苦悩の数日は、夜明けのようなひらめきと共に去った。
”彼女をぜひフィンの嫁に…”
”そうすれば、フィンは俺の部下。いつでも好きな時に彼女に会う口実が出来るというものじゃないか。フィンだって結構まんざらでもなさそうだし”
こんな事は何が何でも、妻のエスリンには悟られてはいけない。

北への進軍が始まる朝。
キュアンはフィンに言った。
「お前は残ってラケシス姫を守れ」
「何故です? キュアン様。私もぜひお供に」
「この城を守りきったが、またいつ帝国が攻めて来るかもしれん。お前はもうりっぱな騎士になった。俺とシグルドの変わりに旧友の妹を守ってやってくれ。これは命令だ」
「わかりました。ラケシス様は私がお守り致します」
「そうかっ。わかってくれたか。よし、それじゃ戦の合間を縫ってお前に勇者の槍を出前してやるからなっ」
「?」
何をそんなにうれしがるのか、意味がよくわからないフィンを残し出撃するキュアン。
彼の密かな野望の第1段階はシレジア到達後に達成される事になる。
しかし、その後の野望は無惨にもイード砂漠で散る事になろうとは知る由もなかった。

13年後、彼の遺志はリーフの中に流れる血の記憶となって蘇る事となる。

■END■


SALY様のサイト『SALYing』で、カウンター2345を踏んで、描いていただいたものです。(^^)
リクエストは『フィン&ラケシスを見守るキュアン』(一体どういう…(笑))でした。


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