◇水夢骨董堂細腕繁盛記◇
冬の章/弐

「せっかくこんなとこまで出店だしてんだし、寒い中つったって商売してんだもん〜」
「でも諸葛孔明の羽根扇だなんて……孔明は西暦二百年頃の人ですよ、あこぎにも程があります」
「でも嬉しそうに買ってたからいいじゃないの〜、孫の土産にするんだって、三十円もぶんどっちゃった。」
「売る方も売る方なら買う方も買う方ですね、酔っぱらってたでしょう、そのお客さん」
「うん、もうヘベレケだったよ〜」
「バカ、それなら五十円取れば良かったのに。妙なとこで人がいいんだから、オリヴィエは」
「バカだってぇ〜」


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