◇水夢骨董堂細腕繁盛記◇
秋の章/弐


 
「下品ったらないね、あんな大きな声でわめくなんて……ねぇ、リュミエール? あら? どこへ行っちゃったの?」
オリヴィエはさっきまで隣にいたはずのリュミエールを探した。と観覧席の前列、コース間際の柵の前でリュミエールは握り拳を上げつつ、叫んでいる。
「負けてはなりませんよ〜走るのですぅぅぅ〜そこで一気にまくるのですっ」
「ワタシ、時々リュミエールの性格がわかんなくなるよ〜」
 と言いつつオリヴィエもリュミエールの隣に移動した。


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