「下品ったらないね、あんな大きな声でわめくなんて……ねぇ、リュミエール? あら? どこへ行っちゃったの?」 オリヴィエはさっきまで隣にいたはずのリュミエールを探した。と観覧席の前列、コース間際の柵の前でリュミエールは握り拳を上げつつ、叫んでいる。 「負けてはなりませんよ〜走るのですぅぅぅ〜そこで一気にまくるのですっ」 「ワタシ、時々リュミエールの性格がわかんなくなるよ〜」 と言いつつオリヴィエもリュミエールの隣に移動した。 ●次頁【冬の章・1】へ●