「もう嫌っちゃいないよ……アンタが人殺しでもワタシには関係ない事だし、昔の事だし。それに……アンタの気持ちもわかんないでもないから。ワタシだってあのまま幻夢楼にずっと親方の言いなりになって閉じこめられていたらどうなったかわかんないし……でもだからと言って、アンタとは友だちになれるわけないし、ましてや愛人なんか真っ平だし、できれば逢いたくないし」
「いいさ……それでもな……時々俺の事を思い出してくれれば」
「キザだね……思い出してるよ、あの時から毎年、桜を見る度に……」
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