「あなたのお名前は? わたくしはリュミエール」「女の子なの?」
オリヴィエはその子の柔らかな声に女の子かもと戸惑いながら尋ねた。
「いいえ、男ですよ、あなたは随分髪が長いけれど男の子?」
「うん、男だよ、オリヴィエっていうの」
「仏蘭西人なんですか? 仏蘭西租界からいらしたの?」
「うん仏蘭西人なの、だけどママンはいないの」
「わたくしもですよ、ふふふ、わたくしたちって何だかよく似ていますね、お友だちになりましょうね」
リュミエールはにっこりとオリヴィエに笑いかけた。優しい仏蘭西語の響きとともにその笑顔がオリヴィエの心の中にじんわりと暖かく広がっていった。
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