お母様は「やはりお父様に判って頂こうとした私が馬鹿でした」とわたくしの手を引いて泣きながら屋敷を飛び出しました。

 そして丁度この蓮池の辺りで追いかけていらした園長先生とルヴァに呼び止められたのでありました。

 後になってわたくしは、日本人である園長先生と中國の名家の娘であるお母様との結婚が祝福されていないものだと言う事を知ったのです。わたくしは何やら自分のせいでお母様がお泣きになっていると思い、ご免なさいと何回も繰り返して言いました。すると先生とお母様、それにルヴァまでもが「お前が謝る事ではないのだよ」とわたくしを交互に抱きしめながら言ってくれたのでした。



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